これから夏本番。暑い夏を少しでも快適に過ごしたいですよね。日本では昔から、風鈴の音を聞いたり、水の中を泳ぐ金魚を見たりすることで、涼しさを感じていました。京町家で見られる坪庭も、涼しさを作る装置としての役割を持っています。工夫して作られたお庭は、実際に家の中の温度も変えてしまいます。今回のコラムでは、坪庭をお手本に涼しさを感じる庭づくりのポイントをご紹介します。

<坪庭とは>
家や垣根に囲まれた小さな庭のことを坪庭と言います。京町家は「鰻の寝床」と言われるように、間口が狭く細長い形をしています。玄関は通りに面しており、隣家とぴったりくっついて建てられています。京町家では、玄関の反対側、家の奥に小さな坪庭が作られていることが多いです。余裕の無い住宅環境の中において、坪庭は涼を生み出す装置として機能しているのです。

<風の通り道をつくる>
玄関から坪庭までは「通り庭」と呼ばれる土間で繋がっており、重要な風の通り道となっています。開けた玄関側に比べて、周囲を囲われている坪庭はひんやりとして温度が低く、その温度差が風を生み出すのです。この効果をさらに高めるのが打ち水です。坪庭に打ち水をすることで、表との温度差が大きくなり、より気持ちの良い風が抜けていきます。暑い日向に打ち水をしたくなりますが、日陰になっている場所に打ち水をするのが正解です。気温が高い場所への打ち水は、蒸し暑くなってしまい逆効果となることもあるので気を付けましょう。

<水で涼しげな景色をつくる>
坪庭に水鉢やつくばいで水を取り込むと、視覚から涼しさを感じられる景色が作れます。水面に葉や花を浮かべてみても良いですね。筧(かけい)を設けて水を流せば、涼しげな水音も楽しめます。水が庭にあることで、庭の景色がより奥深いものになります。夏はボウフラが発生する原因にもなるので、最低でも4~5日に1度は水を交換するようにしましょう。

<樹木の緑陰で涼しく>
庭に樹木があることで、木陰をつくり日差しをやわらげてくれます。建物に直接当たる日差しや地面からの照り返しは、室温も上昇してしまいます。樹木が直射日光を遮ることで、室温の上昇を防いでくれます。
樹木は根から吸い上げた水分を葉から蒸発させています(蒸散作用)。水分が蒸発する際に、周りの熱を奪うため(気化熱)、樹木の下は周囲よりも涼しく感じられます。これにより、先述した気温差によって生まれる風の効果を、より高めてくれます。坪庭のような小さなお庭しか作れなくても、植栽設計を工夫することで効果が感じられるはずです。

<透水性のある素材を使って照り返しを防ぐ>
照り返しの強いコンクリートやタイルは温度上昇も大きく、建物周りに使用すると室温にも影響を及ぼします。和を感じさせる坪庭は、砂利や苔、三和土、飛び石等を使って仕上げることが多いです。これらの素材は照り返しが少なく、土に水を浸透させるため、直射日光が当たっても温度上昇がゆるやかです。しっとりとした和を感じさせる空間づくりをすると、自然と照り返しと温度上昇の少ない庭造りに繋がります。
和を感じさせるお庭は根強い人気があります。涼しげな和の庭は、見ているだけで心が落ち着きますね。現代風の住宅にも和の庭は違和感無く取り入れられるはずです。
ウエシンでは多くの和の庭の施工実績がございます。ご興味のある方はぜひお気軽にお問合せください。










