どんなお庭にしようかと検討したとき、芝生を取り入れたいという方は多いです。しかし、気になるのがお手入れのこと。芝刈りや雑草対策が大変だというし、ちゃんと管理できるかな?というお声をよく伺います。実際に芝生のお手入れはどのようなものがあるのでしょうか?季節ごとにご説明します。
<芝生の種類>
芝生には、暖地型と寒冷地型の二種類があります。
暖地型の芝は暑さに強い反面、寒さには弱く、冬は地上部を枯らして越冬します。そのため、冬は茶色い枯れ姿となります。
寒冷地型は西洋芝とも呼ばれます。寒さに強く、冬でも緑を保ちますが、暑さには弱く、日本の高温多湿に耐えることは難しいです。
そのため、お庭に取り入れる芝は暖地型をおすすめします。暖地型の芝で最もよく使われているのが、強健で育てやすい高麗芝です。高麗芝よりも葉が小型で柔らかい姫高麗芝、やや粗い印象の野芝などもお庭で使われることがあります。
<天然芝の魅力>
最近はお手入れの大変さから敬遠されがちな天然芝ですが、天然芝だからこその魅力もたくさんあります。大きな魅力は柔らかさでしょう。小さいお子さんが転んでも、柔らかな芝の上では怪我の心配はいりません。大人も座り込んだり、時には寝転んだりしてみたくなるような柔らかな手触りは他の素材には無いものです。
季節ごとに違う表情を見せてくれるのも、天然芝ならではのもの。また、葉の蒸散作用により夏の直射日光による地表面温度の上昇が抑えられます。地表面温度は庭全体、家全体の温度にも影響するので、夏の快適さにつながります。
導入コストが安いのも大切なポイントです。また、植物なので経年劣化や耐用年数はありません。病害虫などで一部が枯れてしまっても、部分的に補植すれば修復可能です。管理の手間はかかりますが、魅力も多くあるのが天然芝です。
春<3月下旬~6月>
冬の間休眠していた芝生が成長を始める時期で、一年で最も芝張りに適した時期でもあります。はげてしまった芝生の補植をするのもこの時期がおすすめです。
芝の伸び具合を見ながら、芝刈りを始めましょう。伸びた芝生を一気に短くすると、一時的に葉が少なく見え、見栄えが悪くなります。芝の長さの1/3程度を刈るようにしましょう。例えば30mmの高さに刈るならば、大体45mm位になったら芝刈りを行います。春は月に2回程度の頻度になるでしょう。
成長を始めた芝は養分を必要とするので、春から秋までは2ヶ月に一度位の頻度で施肥を行います。芝張りや補植をした部分は、土の状態を見て水やりを行います。しっかり根付いた芝生は水やりの必要はありません。
通気性を良くするためにエアレーションという、芝生にスパイクを用いて穴をあける作業も行いましょう。理想的な頻度は2ヶ月に一度ですが、春と秋だけでも問題ありません
夏<7月~9月半ば>
一年で最も芝生の生育が旺盛な時期です。芝刈りも週1回程度の頻度になります。炎天下の芝刈りは芝のダメージにつながるので、朝か夕方の日がかげった時間帯に行いましょう。
しっかりと芝刈りを行えば、雑草はほとんど気にならないはずです。カタバミやオオバコのような、背の低い雑草は残るかもしれません。気になるならば除草をすべきですが、雑草の無い芝生を目指すと疲れてしまいます。芝生と程よく付き合うためには、小さな雑草には目をつぶっても大丈夫です。
雨が降らずに乾燥している場合は1~2日に一度水やりを行います。高麗芝は強いので、多少乾燥したぐらいでは枯れませんが、葉が丸まっていたら水が足りていないサインです。たっぷりと水を与えてあげましょう。
秋<9月半ば~11月>
気温の低下とともに、徐々に芝の生育が緩慢になっていきます。夏に行っていた管理作業を継続しますが、芝の状態を見ながら頻度を落としていきましょう。冬を迎える前の最後の芝刈りでは、やや高めに芝を刈ります。これを「刈り止め」と言い、冬の寒さから根を守るために行います。
冬<12月~3月半ば>
芝の休眠期です。青々としていた芝は茶色く枯れてしまいますが、根の状態で越冬します。春の芽吹き前に、芝に堆積した刈り取られた芝草を取り除く掃除(サッチング)を行います。それ以外は芝のお手入れもお休みです。人工芝と違う冬の枯れ姿こそ天然芝ならでは風情です。冬らしい景色のお庭を味わいましょう。
芝生はお手入れをすればするほど、葉が密になり青々と美しい姿になっていきます。メンテナンスは大変かもしれませんが、充実感も大きいものです。お庭に青々とした天然芝があったら良いな~とお考えの方はぜひ一度チャレンジしてみてください!とはいえ、やはり管理が出来るか心配・・・という方も多いかと思います。そんな方のために、次回のコラムでは人工芝についてご紹介いたします。
芝生のあるお庭について、ご興味のある方は是非お問い合わせください。