現代の住宅は基礎が40㎝前後あることが一般的です。そのため、高低差の無いお宅でも玄関ポーチには2~3段の階段が必要になります。土地に高低差がある場合は、さらに段数が多くなります。
毎日必ず通る玄関周りの階段は、利便性はもちろん、見た目にも気を使いたいものです。階段は立体感があるため目に入りやすく、外構の中でも目を引く部分になります。今回のコラムでは、素敵な階段をつくるための設計ポイントをご紹介します。
<安全に使える素材を考える>
階段の設計では、まず安全面に気を遣いましょう。屋外の階段は濡れていることもありますので、滑りにくい素材を使うようにします。屋外用ではないタイルや石材を使用すると、滑りやすく危険です。必ず屋外用のものを使用しましょう。
<定番のタイル貼り階段>
玄関ポーチの仕上げはタイルが定番です。ポーチまでの階段も同じタイルで仕上げると、一体感のあるアプローチになり、すっきりと納まります。カラーバリエーションが豊富で、機能性も高いため、安心で便利な素材です。
こちらの施工事例は、アプローチを全て玄関ポーチと同じタイルで仕上げています。すっきりと落ち着いたデザインが魅力です。アプローチ距離が短い場合、同じ素材の方がゴチャゴチャとせずにきれいに整うのでおすすめです。
<段鼻を飛び出させた浮き階段>
階段の立ち上がりが引っ込み、段鼻だけが飛び出て浮いているように見える階段を、浮き階段やフローティングステップと呼びます。普通の階段よりも手間がかかりますが、立体感が増し高級感のある仕上がりになります。踏面(階段の踏む部分)の素材感がより強調されるので、踏面をどのような素材にするかもデザインのポイントとなります。
こちらの施工事例は、タイルを使用した浮き階段です。タイル貼りはすっきりと高級感のある雰囲気になります。定番のタイル貼り階段でも、浮き階段にして陰影を作ることで、ワンランク上の外構に仕上がります。
こちらは石材の風合いを再現したコンクリート平板を使った浮き階段です。浮き階段では素材の質感がより一層引き立ち、重厚感のある仕上がりになります。
こちらの施工事例では、浮き階段ならではの照明計画を行いました。段鼻の下に照明を設置し、夜になると足元が浮かび上がるような景色となります。配線が必要な照明は、後から追加することが難しいので、忘れずに計画するようにしましょう。
<動線を検討する>
敷地に余裕がある場合、階段の配置パターンはいくつか考えられるはずです。最短距離でまっすぐ作るだけでなく、斜めにしてみたりアールにしてみたり、動線を工夫してみましょう。
こちらの施工事例では、階段を斜めに配置することで生まれた余白を植栽スペースにしています。広いアプローチではありませんが、工夫次第で緑豊かな空間となりました。
<段数が多い場合は踊り場を考える>
土地が道路よりも高く、階段の段数が多い場合は、踊場スペースを設計に組み込むとよいでしょう。直線で長く階段が続いていると、単調なアプローチになってしまいますが、踊場があることで景色に変化が生まれます。植栽スペースを設けて、緑の演出をすることもできますね。実用面でも、荷物が多い時に一休みできる場としても、転落した場合の被害軽減にも役立ちます。
建物の印象は外構で大きく変わります。お気に入りのアプローチ階段があれば、より一層おうちが素敵に見えるはずです。ウエシンでは様々なアプローチ階段の施工例がございます。外構をお考えの方はお気軽にご連絡ください。